2022年8月4日(木)、ちより街テラス(高知市内)にて、株式会社リバネスと共同主催で超異分野学会高知フォーラム2022を開催しました。本イベントのテーマはグリーン化。土佐の海と大地の資源循環からはじまるグリーン化への挑戦~企業×スタートアップ×大学で取り組む新事業創出と研究開発~と題して、新事業創出に関心のある県内事業者やスタートアップ企業、研究者ら合計75名が参加し、熱い議論が交わされました。
キーノートセッション、パネルセッションでは、県内で展開可能性のあるグリーン化関連の新技術等の紹介、深掘りを。ショートピッチ、ポスターセッションでは、参加した県内事業者やスタートアップ企業、研究者らがそれぞれの持つ事業や技術、課題を共有し合い、連携可能性について議論を行いました。
各セッションの様子は本記事後半に掲載する他、個別レポートを順次WEBにて公開いたします。
また、キーノートセッション、パネルセッション、ショートピッチはアーカイブ配信を行っています。当日参加できなかった方や内容にご関心のある方は視聴URLをお送りいたしますので、以下のWEBフォームよりお申し込みください。
ここからは、各セッションの様子を少しだけ紹介します。詳しくはアーカイブ配信やレポート記事をご覧ください。
極限環境微生物が拓く製造業グリーン化の可能性
〜循環経済を実現するガルディエリア〜
<登壇者>
株式会社ガルデリア 代表取締役CEO 谷本 肇氏
株式会社リバネス 代表取締役社長CKO 井上 浄
キーノートセッションでは、温泉という極限環境に生息する藻類ガルディエリアを活用して世界の課題解決に挑む株式会社ガルデリア代表の谷本氏に登壇いただき、ガルディエリアが金属を細胞内に蓄積するという特徴を活用した、これまでにない低コスト、高精度、低環境負荷で貴金属のリサイクルや水質浄化、汚染土壌の浄化を実現する技術や事業プランについてお話いただきました。
セッションの後半では、株式会社リバネス代表の井上も登壇し、谷本氏へのインタビューを行いながら、高知県で実現できる事業の可能性について考えました。高知に湧く冷泉に生息しているかもしれない藻類を活用したビジネスの可能性について、来場者にも意見をもらいながら、アイデアを共有しました。
次世代につなぐアグリビジネスに挑む
〜未利用資源を活用した肥料・飼料・食料生産〜
<登壇者>
株式会社 エコデザイン研究所 代表取締役社長 永野 敬典氏
株式会社TOMUSHI 代表取締役CEO 石田 陽佑氏
川村通商株式会社 取締役 川村 洋一郎氏
<モデレーター>
株式会社リバネス 研究開発事業部 部長 川名 祥史
本セッションでは、グリーン化に積極的に取り組む県内事業者と県外スタートアップ企業2社と共に、スタートアップ企業と共につくる新事業をどのように考えてスタートすれば良いのか、ということについて議論を行いました。
永野氏からは、次世代の子どもたちの時代に地域の環境をどう設計して残していくのか、経済だけでない両輪を回すことに挑戦したいというメッセージが発せられました。これを受けて、石田氏からは新しい技術としてカブトムシを活用した堆肥製造のアイデアが、川村氏からは地域に合った有機資源をその地域の人が資源化できるような設計が重要であるという考え方が示されました。
次世代につなぐアグリビジネスを行う最初の一歩として、高知ならではの豊かな資源を地域の経済性も試算しながら次世代に続くビジネスを考えていくことが重要であるという考え方を示しつつ、これから工場の一部で実際に試験しながら取り組んでいくという宣言を登壇者からいただいて、締めくくられました。
最先端技術の特性から新事業開発を考える
~微細藻類と水素を題材に~
<登壇者>
公益財団法人高知県産業振興センター 戦略支援エグゼクティブ・アドバイザー 山瀬 純一氏
株式会社ノベルジェン 代表取締役社長 小倉 淳氏
大阪大学大学院工学研究科 応用化学専攻 テニュアトラック助教 岡 弘樹氏
<モデレーター>
株式会社リバネス 関西開発事業本部 部長 石尾 淳一郎
本セッションでは、グリーン化に向けた研究者やスタートアップとの連携プランを、彼らの技術シーズから発想する、という試みを会場全体で行いました。
小倉氏からは藻類を利用したマイクロプラスチック回収事業とこれに関わるコア技術について、岡氏からは、工場からだされる有機系の廃棄物から水素を製造する研究についてそれぞれ紹介がありました。これを受けて山瀬氏から会場への活用シーンについての投げかける場面もあり、両名それぞれとの連携を前向きに検討していきたいという声があがっていました。
このパネルディスカッションでは、来場の方々と共に最先端の技術を自社事業に応用していく可能性を検討することができました。さらにその可能性をビジネスに発展させるためにも、積極的にスタートアップ企業や研究者とコミュニケーションを取ることが重要であるというメッセージで締めくくられました。
ショートピッチでは、スタートアップや研究者は県内の企業との連携可能性のある新技術に関して、県内企業は自社の技術と新事業への挑戦について90秒ずつのプレゼンテーションを行いました。
ポスターセッションでは、自社の事業や研究内容をポスターにまとめ掲示したり、実際に扱っているものを机の上に展示したりして、参加者と議論を行いました。特に、高知機型工業株式会社や株式会社トミナガは再資源化したい廃棄物を、株式会社廣瀬製紙は自社製品のサンプルなどを持ち込み、スタートアップ企業や研究者らのブースを巡りながら連携可能性を議論していました。また、スタートアップ企業である株式会社TOMUSHIは飼育している昆虫を、株式会社ガルデリアは培養している藻類を展示しており、多くの参加者から注目を集めていました。
ショートピッチ、ポスターセッションは会場の至るところで熱い議論が交わされ、脱炭素、未利用資源活用 廃棄物の再資源化、環境汚染の浄化、カーボンニュートラル、AIによる省力化など、グリーン化の実現に向けて、高知発のグリーン化や新事業の可能性を広げるような今後のコラボレーションの最初の一歩を踏み出すきっかけの場となりました。
各登壇者の発表の概要はこちらからご覧ください。
キーノートセッション、パネルセッション、ショートピッチはアーカイブ動画を配信しています。配信希望も3月末まで受け付けておりますので、ぜひご覧ください。
こうちネクストコラボプロジェクトでは、高知県内事業者のグリーン化に関する新事業創出を支援しています。
9月以降は、高知県内の企業とスタートアップ企業や研究者との連携を具体化していくために視察や仮説の検証等に取り組んでいきます。また、スタートアップ企業や研究者との連携のご希望やご相談はこれ以降も随時受け付けています。
既に新事業に取り組んでいる方、これから取り組もうと考えている方など、新事業に興味をお持ちの方はいつでもご参加可能ですので、以下の「お問い合わせ」先までご連絡をお願いいたします。
<お問い合わせ>
主催:高知県 産業振興推進部 産学官民連携課(担当 山本、澁谷、川田)
(電話)088-823-9781
(メール)121701@ken.pref.kochi.lg.jp
運営:株式会社リバネス(担当 岸本)
(電話)03-5227-4198
(メール):RD@Lnest.jp