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2021年10月15日

新事業創造フォーラムレポート第2段!Session1”食を観光にする”

 基調講演に続いてのトークセッション1では『“食”を観光にする』をテーマに、県内からは創業144年を誇る土佐町の酒造メーカー土佐酒造(株)代表取締役の松本宗己さん、県内でツーリズムコーディネーターをされている近澤真弓さんのお二人に。スタートアップ企業からは地域課題を解決する(株)hakken代表取締役の竹井淳平さん、地域の伝統工芸品に注目し、地場産業振興を目的としたプラットフォームを運営するmyProduct(株)地域コーディネーターの藤森希さんのお二人にご登壇いただきました。

 

~登壇者について~

 ここで簡単に登壇者をご紹介します。

 一人目の松本さんは、学生時代にシステム会社を立ち上げた後、7年前に六代目としてご実家の酒蔵を継がれたという異色の経歴をお持ちです。お酒の中でも特にワイン(!)が好きで、ぶどうの生育地の環境などの特徴に価値を見いだす『テロワール』に感銘を受けられたそう。地元の魅力を日本国内だけでなく海外まで発信されています。

 二人目の近澤さんは、これまで高知県内の旅館などで体験型の観光商品を多数作ってこられました。近澤さんが得意とするのは、現地集合・解散型の『着地型観光ツアー』です。ご自身が県内を周り、体験しながら組み立てられるツアーは地元ならではの場所での観光や体験をすることができ、多くの観光客に人気です。

 三人目の竹井さんは、飲食関連の新しいシステムの開発や、食品ロスに注目し、廃棄される野菜をアップサイクルする事業を始めとし、様々な地域課題を解決する(株)hakkenを立ち上げられています。地域課題は地域ごとに異なるため、各地域に廃棄野菜の乾燥拠点を設立してスタッフが複数年間居住し、役場職員と二人三脚で課題に挑んでいます。

 最後の藤森さんは、地域産業を切り口に、伝統工芸品などと観光を掛け合わせた旅行プランを提供するmyProduct(株)の地域コーディネーターをされています。地域コーディネーターは地域を知って地域と直接つながることを重視し、コンテンツを創るために一定の期間その地域に住むそうです。

 

新商品や新事業のつくり方、磨き方

 トークセッション1では、地域の“食”に軸を置き、新商品や新事業をどう見つけ、どう磨き、どう伝えていくかについてディスカッションしました。

 松本さんは日本酒造りにおいてもテロワールの考え方を大事にされています。「お酒は嗜好品なので「好き」「嫌い」がはっきりしている。テロワールのようにローカルを追求することで、「おらが村のおらの商品」という色を強く打ち出すことができ、圧倒的な個性が出てくる。世界中には多様な価値観を持った人がたくさんいるので、そういう人に刺されば強烈に好きになってくれる!」と話されました。

 近澤さんはご自身がツアーを組み立てる際、「あえて完璧に作り込まず“余白”を残し、体験先の方を含めた関係者と一緒にその余白を埋めていくことで、無理のない商品づくりができている」と語られます。あえて“腹八分目”にすることで、観光客にも受入れ側にも押しつけることのない商品づくりを心がけているそうです。(鰹節工場での観光体験商品づくりの事例はとても参考になりますのでぜひご視聴ください!)

 近澤さんの余白を残す大切さのお話には藤森さんも共感。地域コーディネーターは地域外から“ソトモノ”として入っていく時に、事前にその地域のことを勉強してから行くそうです。しかし、「事前に色々な情報を持って入り、地域の方に提案させてはいただくが、やはり事業者がやりたい、と思わないと続かない。私がやりたいのはこだわりの発信、そしてそのファンを創ること。松本さんが自分の好きなことを語っているのが素敵だったように、押しつけられたものを台本通り言っても面白くないし伝わらない。」と、これまでの経験から語られました。

 竹井さんからは、「(外の人間)がその地域で事業をつくるにはそこに住むしかない。今取り組んでいることの結果が反映される2~3年後に自分がそこにいることが大事。『外から客観的に見ることのできる地域住民』という立場になれることが重要」というご意見もありました。また、ご自身の海外での体験も踏まえて、「日本人の事前の計画を丁寧に作り込む几帳面さも必要だが、『それで本当に販売するの?!』というようなレベルで商品を作ってみてその後どんどんアップデートしていくような、良い意味での雑さがあっても良いのでは」と話していました。

“ソトモノ”の役割、必要性

 商品づくりについて地域の視点と“ソトモノ”の視点から意見が出た後、藤森さんから「地域に“ソトモノ”の力が必要だと言われていますが、地域の人は外の人間をどう思ってる?」という投げかけが。

 これに対して松本さんは、「自分だけでやっていると時間がかかる。ウォッチして、吸収して、他の人のお金と頭を使う。アイデアや商品づくりも外の人からの刺激のおかげでできたというのがたくさんある。さらには、面白いと思ったらやる。思いついて良いなと思ったら言ってしまう。誰かにアイデアを話すと、『変な事言っているやついるよ』と関係しそうな人に繋いでくれる。この循環が生まれた時は人生を通してやって良かったと思う」とのこと。

 また、竹井さんから「とはいえ、新しいアクションを起こしたり、波風が立つと批判を受けることもあるが、皆さんはそんな時にどうしている?」とさらに質問が。

 松本さんは「批判するということは関心があるということなので、『しめたものだ!』とポジティブに受け取る」そう。逆に近澤さんと藤森さんは「一旦ヘコみます」とのこと。しかし、批判されてショックも受けるが、こういうところは吸収・改善できるかもという部分は一旦ヘコんでから乗り越えていくそうです。皆さんそれぞれの反応でしたが、批判を糧にさらにステップアップしていくという部分は共通しているようです。

ナビゲーターから一言

 このセッションでは、四者四様で商品のつくり方、磨き方についてお話していただきました。地域における商品作りの大事なポイントとして、常識に捕らわれないこと、“余白”をあえて残しておき、その部分は現地で関係者とつくっていくこと、“ソトモノ”の力を借りて色々な人とつながっていくことで自分の力の何倍もの力にしていくことなどが挙げられると思います。

 チャレンジし続ける四名のさらなるステージにも期待です!

(文責:株式会社ゼロワンブースター 杉田)